市販問題集のうち、定評のある予想問題集の的中率を比較しました。
問題集の選定に当たっては、紀伊國屋書店の全国販売データ(※パブライン)や、当サイトの回答集計で寄せられた感想を加味して3つの問題集に厳選しました。
どれも、毎年、多くの合格者が利用されているものです。
※ パブラインとは、紀伊國屋書店が提供している主にマスコミ・出版社向けの法人サービスです。業界内では信用度が高いマーケティングデータです。

(1) 2012年版U-CANのケアマネジャー予想問題集 (U-CAN)
(2) ケアマネ試験 法改正と完全予想模試’12年版―『六訂基本テキスト』完全対応! (成美堂出版)
(3) ケアマネジャー実戦予想問題’12 (晶文社)

なお、過去問徹底分析と異なり、各市販本の問題原文を掲載することができません。
購入される際は、本屋さんなどで現物にて下の該当箇所を参考にお確かめください。

当該問題集に収録されている問題文を解く知識があるだけで、本試験で該当箇所の問題が正解できる可能性が非常に高いと思われるものを類似しているとみなして、的中問題としています。
問題文から相当敷衍しないと解けないと思われるものや、解説文などにヒントがあるものは、予想問題として的中していないとみなしています。
一方、完全に一致はしないものの、わずかの機転により正解に到達できる可能性が高いと思われるものは的中とみなしています。

たとえば、2012年版U-CANのケアマネジャー予想問題集(U-CAN)の「第1回模擬試験」の問題2の選択肢1では以下のように掲載があります。
【引用開始】2010(平成22)年の国民健康保険中央会などの調査では,高齢者人口の1割弱が要介護認定・要支援認定を受けていることがわかった。【引用終了】
一方、今年2012年の問題1の選択肢(2)では「国民健康保険中央会発表(平成23年10月分)によると、要支援・要介護認定を受けた者は高齢者人口の17.9％である。」と出題されました。
発表年が1年違う、数値の問われ方が違うなどの相違はあるものの本質的な差異はみられず、問題全体として予想問題の知識で解ける問題と認めて、的中したとみなしています。

問題数ベースではなく、選択肢ベースで的中問題を判定しています。
各市販問題集で収録されている選択肢数と、その的中選択肢数を算出し、適合率と再現率も算出しています。
ここで適合率とは、的中選択肢数÷収録選択肢数によって得られる指標で正確性を表しています。 学習者の立場からは、この数値が高いほど学習効率が高く、限られた時間の中での最大限の得点を得られるということです。
一方、再現率とは、的中選択肢数÷本試験選択肢数によって得られる指標で網羅性を表しています。 学習者の立場からは、この数値が高いほど期待得点が高く、全てマスターすれば高い得点を得られることになります。

以上の「適合率」や「再現率」は情報工学の用語ですので、話が少しややこしいかもしれません。
分かりやすくたとえると、こうです。本試験が10選択肢で、これを予想した問題集ＡとＢがあったとします。
問題集Ａは、100 選択肢収録されていて、当たったのは 8 選択肢でした。
問題集Ｂは、10 選択肢収録されていて、当たったのは 6 選択肢でした。

あなたなら、どちらの問題集を買いますか？

問題集Ａを全てやれば10選択肢のうち8選択肢も網羅されているわけですから高得点を期待できます(再現性が高い)。が、100選択肢で8選択肢しか当たっていないので、効率は悪いですね(適合率が低い)。
一方、問題集Ｂは全てやっても6選択肢しか網羅できないわけですからＡほど得点は期待できません(再現性が低い)。が、10選択肢で6選択肢も当たっているので時間がない時には、効率は良いですね(適合率が高い)。

つまり、時間がある人(又は、最後までやりきれる人)には問題集Ａを、時間がない人(又は、最後までやりきれない人)には問題集Ｂが向いています。

2012年版U-CANのケアマネジャー予想問題集(U-CAN)は、予想模擬試験として2回分(計120問・600肢)と、要点チェック問題213問・1065選択肢を合わせた、1,665肢を集計対象としました。
ケアマネ試験 法改正と完全予想模試’12年版(成美堂出版)は模擬試験3回分(計180問・900肢)を、ケアマネジャー実戦予想問題’12(晶文社)は、模擬試験5回分(計300問・1500肢)を集計対象としました。

書名 (価格／ISBNコード)	出版社	収録問題数	的中問題数	適合率 (正確性)	再現率 (網羅性)
2012年版U-CANのケアマネジャー予想問題集 2,940円 (ISBN: 978-4426603922)	U-CAN	1,665 肢	### 肢以上	##.# ％以上	##.# ％以上
ケアマネ試験 法改正と完全予想模試’12年版 1,785円 (ISBN: 978-4415214030)	成美堂出版	900 肢	### 肢以上	##.# ％以上	##.# ％以上
ケアマネジャー実戦予想問題’12 2,730円 (ISBN: 978-4794976536)	晶文社	1,500 肢	### 肢以上	##.# ％以上	##.# ％以上

まずは、集計に手間取りまして、当初の予定日より公開が大変遅れましたことを、深くお詫び申し上げます。

分析結果から見ますと、2012年版U-CANのケアマネジャー予想問題集(U-CAN)の優勢となりました。
過去問をよく分析されていて、過去問や過去問に近い形の問題で構成されていました。

また、価格差や学習効率などを考慮すると、直前期の時間がない方にとって、ケアマネ試験 法改正と完全予想模試’12年版(成美堂)は大変パフォーマンスが高い教材であるといえます。
残念だったのは、論点は合っていたのに少々ひねりすぎて、本試験問題と離れてしまっている問題が散見された点でした。

一方のケアマネジャー実戦予想問題’12(晶文社)ですが、オリジナルの問題にこだわった問題が比較的多い印象を受けました。 色々な問題を網羅しようとして、重要ではない論点に紙面を割いてしまっているのが残念です。

ちなみに、当サイトですが6,847問あり、そのうち本試験の137選択肢(うち4問がオリジナル問題)が当たりました。
問題を絞った市販の予想問題集には、適合率では大きく負けてしまいますが、再現率では大きくリードしています。
ただ、直前期に学習を始められる方も多くいらっしゃるので、来年は当サイト独自の予想問題グループのような問題群を作って利便性を高めていこうと考えています。詳細はこれから検討致します。

各市販問題集で、今回の試験で的中した問題箇所を表示しています。
「この問題から、本試験のこの問題は解けない」、またはその逆などご指摘がございましたら、掲示板などに投稿頂ければ幸いです。
来年の受験生のために、公平性と厳密性を重視して集計したいと思います。