
2013年10月04日 更新
毎年の当サイトの回答集計の結果を見ると、事例問題(介護支援分野の24問目、25問目に出題されることが多い)の正解率は比較的高く、特に合格点に到達している方の正解率は非常に高いです。
事例問題は、過去問の選択肢をよく検討すると問題の傾向がよくわかります。
問題本文を見なくても選択肢だけでも、直感的に正解に導けるものも少なくありません。
特に注目すべきは、間違っている選択肢の引っかけポイントです。
この点をしっかりおさえておけば、事例問題の2問とも正解することは十分可能です。
但し、事例問題の中に福祉や医療分野の知識を必要とする問題も数年に1回の割合で出題されていますので、引っかけポイントだけで満点を確実に取れるわけではありませんが、そのような問題は正解率も低くなる傾向にあって、その分合格基準点も下がりますので、満点を狙う方以外の方は試験対策上は気にすることはありません。
それでは、過去に出題された×の選択肢を着目点別に分類整理しましたので、しっかりおさえておいてください。
事例問題は、過去問の選択肢をよく検討すると問題の傾向がよくわかります。
問題本文を見なくても選択肢だけでも、直感的に正解に導けるものも少なくありません。
特に注目すべきは、間違っている選択肢の引っかけポイントです。
この点をしっかりおさえておけば、事例問題の2問とも正解することは十分可能です。
但し、事例問題の中に福祉や医療分野の知識を必要とする問題も数年に1回の割合で出題されていますので、引っかけポイントだけで満点を確実に取れるわけではありませんが、そのような問題は正解率も低くなる傾向にあって、その分合格基準点も下がりますので、満点を狙う方以外の方は試験対策上は気にすることはありません。
それでは、過去に出題された×の選択肢を着目点別に分類整理しましたので、しっかりおさえておいてください。
着目点 | 出題例・×の選択肢 |
主体性の尊重 | 介護支援専門員の判断で、訪問看護による入浴介助を居宅サービス計画に位置付けた。× |
〃 | 自宅を訪問してAさんが在宅生活の継続を希望していることを確認したが、専ら息子夫婦と話し合いながら居宅サービス計画の見直し内容を決定し、手続を進めた。× |
〃 | 「私は専門職で、いろいろな指導もできますし、生活はきちんと管理して差し上げますから、まずは私の言うことを聞いてください」と話した。× |
〃 | 「サービスは一緒に考えましょう。でもケアプランは必要なものです。良いものを作りますから私に任せてください」と話した。× |
〃 | 退院後についても病院の医師の判断に任せてはどうかと家族に伝えた。× |
〃 | 反対する息子の前だとAさんは入居したいと言わないため、入居の希望はそれほど強くないと判断し、しばらく静観することとした。× |
自立支援 | 初回の訪問を行った際、転倒等の事故の発生を予防するため、たとえ本人ができることであってもできるだけ家族が代わって日常生活の世話をするよう、家族に助言した。× |
〃 | 当面、Aさんは在宅生活が可能と判断されたが、Aさんの安全確保のために、早急に特別養護老人ホームに入所申込をするよう勧めた。× |
〃 | Aさんに対して施設入所の説得に努める。× |
〃 | 家族と面談し、直ちに老人ホームへの入所申請を行うよう強く勧めた。× |
社会的責任 | 利用者の妻が利用者本人にどうしても会わせてくれず、状況把握ができないため、直ちに契約を解除した。× |
〃 | 現在の居宅サービス計画を継続して、夫が危機を自ら発見し、相談に来るまで待つ。× |
〃 | 「サービスを利用する権利があることはそのとおりです。しかし、ケアプランを作らないと規則違反になりますから、そのようなご意向でしたらほかの事業者と契約してください」と話し、利用者宅を辞した。× |
〃 | 本人と家族の意向が異なるので依頼は受けられないと回答した。× |
〃 | 「当事業所では対応できないので契約を解除します。」とAさんに伝えた。× |
〃 | 兄弟の財産争いの可能性もあるので、(地域包括支援)センターは所管外であるとして相談を断った。× |
〃 | 人工透析患者を受け入れる介護保険施設に空きがなかったことを長男夫婦に報告し、当面は静観することとした。× |
法律の解釈間違い | 受けるべき支援が受けられていない状況は虐待に当たるので、地域包括支援センターに通報する。× |
〃 | 虐待を受けている高齢者を発見した場合は、通報義務があるため、直ちに警察と地域包括支援センターの職員へ通報した。× |
〃 | 「業務妨害に当たるので警察に通報します。」とAさんに伝えた。× |
家族への配慮 | 一人暮らしが心配であれば同居をするよう娘を説得する。× |
個人情報の保護 | 話し合いの場に出席することができなかったので、Aさんや家族の同意を得ることなく、Aさんの家族の連絡先等を自治会に伝えた。× |
知識問題 | 「注入した栄養剤が逆流して誤嚥性肺炎が起きることがあるので、胃ろうはしない方がよい」と家族に勧めた。× |
その他 | 直ちにAさんの居宅介護支援を保険者が運営している居宅介護支援事業所に移管した。× |
○の選択肢は先ほどみた×の選択肢と比べて、これが○という決め手の文言が含まれていません。
ただ、正解の選択肢の傾向として、次の2点があげられると思います。
(1) 欠点が少ない対応。
(2) 良い意味でも悪い意味でも無難な対応。
以下は、過去に出題された○の選択肢の一部ですが、一通り読まれて○の選択肢のイメージをつかんで下さい。
問題を解くときに大切なのは、もっと良い方法があるのではないか、と深く考えすぎないことです。
例えば、上記の「今後の生活をどのように考えているのか、夫婦二人の考えを聞く。」という選択肢を見て「夫婦だけじゃなくて、兄弟や祖父母の考えも聞かなければいけないんじゃないか」とか、また「Aさんの寂しさや不安感に共感する。」という選択肢を見て「いやいや、共感するだけじゃだめ、もっと不安感を払拭させるために楽しませてあげなければいけないんじゃないか」などと考えてはいけません。
もちろん、実務ではそっちの方がいいかもしれませんが、問題文で問われているのは選択肢に書かれている行動が**適切かどうかということで、**最良かどうかなどとは問われていません。
また、「選択肢だけの対応をすれば大丈夫」ということも書かれていません。
ただ、正解の選択肢の傾向として、次の2点があげられると思います。
(1) 欠点が少ない対応。
(2) 良い意味でも悪い意味でも無難な対応。
以下は、過去に出題された○の選択肢の一部ですが、一通り読まれて○の選択肢のイメージをつかんで下さい。
No. | 出題例・○の選択肢 |
1 | 夫に妻が最近痩せてきているという観察結果を伝え、まずは、その原因を明らかにするための受診を勧める。○ |
2 | 夫の努力を高く評価していることを伝えてねぎらうとともに、一人で頑張らず外部サービスの利用も考えるよう働きかけを行う。○ |
3 | 今後の生活をどのように考えているのか、夫婦二人の考えを聞く。○ |
4 | Aさんと家族が揃ったところで、Aさんはどのように暮らしたいのか、家族はAさんの今後をどのように考えているのかを話し合った。○ |
5 | Aさんの寂しさや不安感に共感する。○ |
6 | Aさんの自宅での生活に対するこだわりを理解し、それを大切にすることも大事だと娘に伝える。○ |
7 | Aさんの希望を尊重し、可能な限り在宅生活が継続できるよう支援する。○ |
8 | Aさんの在宅生活継続の可能性について協議するため、サービス担当者会議を開催した。○ |
9 | 「あなたがサービスを利用して楽しく幸せに暮らせるように願っています。それを実現するために、どんなサービスが必要か相談させてください」と話した。○ |
10 | 「私の仕事は、できないことを補うサービスを入れて終わりではありません。どのように毎日暮らしたいと考えておられるか教えていただいたら、それをケアプランに目標として書き込んで、一緒に持っていましょう」と話した。○ |
11 | Aさんが延命処置についてどのような価値観や意向を持っていたかを家族と話し合い、冷静に判断できるように支援した。○ |
12 | 自宅で生活する際の主治医の意見を聞いてから、家族と話し合うことにした。○ |
13 | 病院と在宅サービスの関係者を招集したカンファレンスの開催について、病院と相談した。○ |
14 | 自宅療養が可能であることを、病院から家族に説明してもらうよう依頼した。○ |
15 | 自宅での療養上の注意事項について聞くため、医師に面談を申し入れた。○ |
16 | 本人及び家族と十分話し合い、当面、ショートステイの計画的な利用を提案した。○ |
17 | Aさんがなぜそのような行動をするのかをアセスメントした。○ |
18 | 地域包括支援センターに現状を説明し、助言を依頼した。○ |
問題を解くときに大切なのは、もっと良い方法があるのではないか、と深く考えすぎないことです。
例えば、上記の「今後の生活をどのように考えているのか、夫婦二人の考えを聞く。」という選択肢を見て「夫婦だけじゃなくて、兄弟や祖父母の考えも聞かなければいけないんじゃないか」とか、また「Aさんの寂しさや不安感に共感する。」という選択肢を見て「いやいや、共感するだけじゃだめ、もっと不安感を払拭させるために楽しませてあげなければいけないんじゃないか」などと考えてはいけません。
もちろん、実務ではそっちの方がいいかもしれませんが、問題文で問われているのは選択肢に書かれている行動が**適切かどうかということで、**最良かどうかなどとは問われていません。
また、「選択肢だけの対応をすれば大丈夫」ということも書かれていません。